37.2

心理職、休職中。

休職3日目・4日目

 

◎休職3日目

前夜、睡眠導入剤を服用して就寝したのが午前2時。

6時間弱で目が覚める。舌の根の部分が苦い。

息子がもぞもぞと起きだしたのが、8時15分すぎ。

バナナと牛乳を手渡し、パンは自転車で食べてと声をかけ、大急ぎで登園の準備。

バナナが冷たいと文句を言う息子に、ストーブの前に置いておきな!と伝え、

一旦は「わかった!」と返事がくるものの、20秒後に「ストーブはバナナをあたためるものじゃない!」と全うな文句がとんできて、少し笑う。

普段と違う登園時間、普段と違うママ友の顔ぶれに、緊張しつつ

こんな短時間保育で仕事になるの?幼稚園でもいいんじゃない?優雅なものね。

なんて意地の悪い考えが浮かぶ。

9時すぎ帰宅し、布団に倒れ込む。14時半、実母来訪。

15時、布団から起きだして書類書いたりしながら実母と会話する。休職の件については特段話題にせず。親族の話など愚痴を聞く。

16時半、息子のお迎えと、旦那の誕生日ケーキ購入。

息子の子守りと夕食をまかせ、のろのろと部屋の飾り付けや旦那の夕飯作りをする。

19時半、旦那の誕生日パーティー

服薬せず入眠。

鏡の孤城をダウンロードし、読み始めた。

息子の体操教室の振替を予約した。

 

◎休職4日目

朝、8時半起床。

仕事に行かなくなって何日目だろうと数え、今日やらねばいけないことはないかと追われる気持ちで考える。

花粉や黄砂を口実に、しばらく布団とシーツ類の手入れをしていなかったので、今日は布団を干すぞと決意。

布団干し、息子の朝食の世話をしながら、昼食用の弁当を拵える。洗濯物を回す。

息子がTV観ている横で鏡の孤城を読み、昨日できなかった入浴をする。入浴中は、「鬱急性期の人のダメな過ごし方の典型じゃん」とか「業務量に対してダメージの表出の仕方大げさじゃない?」「仕事きっかけに自分のトラウマ聞いて欲しいだけじゃん。30にもなって自己憐憫アピ?」「実際、そんなメンタル弱い心理職なんてハズレって思われてるよ。」なんて色々しんどい。出てしまえば、さっぱりなんだけど、入浴時間て色々ほぐれるから?脱衣のせい?思考が自動運転。

息子とひらがなの練習をしたり、家の敷地内でレジャーシート敷いて弁当食べたり、ほのぼの過ごす。庭を工事現場に見立てて遊ぶ息子を見守りつつ、布団を取り込んだり。

14時、息子の体操教室へ自転車で向かう、開場30分前に到着。普段のクラスと違う雰囲気・面子で母子ともにハラハラ気疲れした。帰りは、体操教室併設のスーパーに滑り込んでくるママたちを見て、自分が仕事していないことの罪悪感に息が詰まる。

17時帰宅。息子が自転車で寝たのでソファーに移し起きるのを待つ。自分は読書。

19時、旦那の帰宅に尻を叩かれようやく夕飯作り。キャベツとツナとコーンとごまとのりとたらこと、なんか色々テキトーに入れたパスタ。

20時半、風呂。家族と入るが、やっぱり自分が洗うターンの間は、気持ちがズンと落ちる。

21時半、布団のシーツ類装着していたら「パパが動画みせてくれない」と泣いて来る。せなけいこの絵本2冊とにじいろのさかなを読み聞かせる。

 

体:50点。子供といると活動量はどうしても増える。かといって疲労感はさほどない。食欲は普段の半分。体重は、昨日と変わりない。

きもち:25点。昨日より気持ちのへこみが慢性的だった。常に自己否定的。母親を全うできない、休職中なのにきちんと休めていない、家事が不十分、仕事に対して努力できることが何も無い。あれもこれもダメだし現実的に地に足着いていなくてふわふわしていて。自分の存在が社会に許されていないという不安感が常に、私を監視している。「今のままでいいと思うなよ。旦那にも愛想つかされてる。メシくらい帰ってすぐ食べれるようにしとけよ一日家にいるなら。」「息子も安心して過ごせていないんじゃない?TVばっかり見たがって、親の存在見限られてるぞ。」「残業も対してしてないくせに、なんで仕事量で鬱になる?」「そんなんで心理職?おこがましいにも程があるよな。職場でわんわん泣いて恥ずかし過ぎだろ、いい年こいたおばさんが取り乱して、引いちゃうよな。仕事なんにもまかせらんないよ。」

息子はなんにも悪くない。息子に元気を貰うから、普通に息して活動できてる。この子がいるから、自分を保っていられる。

でもやっぱり、息子といると、自分の役割に徹しようともがいてしまう。反応してしまう。“母”と一言でまとめても、そこには、子供の精神面をケアするとか生活環境を快適に整えるとか学びを提供するとか生活の枠組みになるとか、色々な役割があるもんで。傲慢ながら、ワーキングマザーとして自分の背中を見せるべきみたいな使命感もちょっとあってさ。グータラするのも感情的になるのも、すんごい罪悪感。これは、休職前もずっとあった。保育園の先生は、「怒ったっていい。感情的になっても大丈夫。家族だもの。」なんて言ってくれる。職場の先輩も「そんなの、どってことない。当たり前。」と言ってくれる。なのに頑固な自分が「でも、それって教育に良くないんでしょ?」とぶつかって来る。だってそんなふうに、親から理不尽な感情をぶつけられて歪んだ子供たちを山ほど見てきたから。そういう仕事をずっとしてきた。

息子が保育園に行ける平日、朝は少し追われるけれど、自分の時間ができるのはホッとする。でも息子を園に送った後、自分がどこに自転車を走らせるのが正解なのかわからなくて、家まで遠回りしてしまう。スーパーか、ドラッグストアか、市役所か、どこか私に行き先と目的をくれよと。いざスーパーに寄っても、何を買うのかわからなくて、ふりかけだけ買って帰って、布団に倒れ込む。あっという間に5時間は経っちゃう。やっぱり休むのは必要だったんだよと、心理職の自分が脳内に登場する。

夜になって、白だしが無いとか、フレーク海苔が無い、マーガリンが牛乳が豚コマが無いなんて、気付いて、午前中スーパー行ったのになんにも覚えていなかった自分にまた情けなくてメソメソ泣いてしまう。

 

まだまだ、ダメージを修復すること自体に抵抗感がある。

一ヶ月って長く感じたけど、今日は、「一ヶ月で間に合うのか?」って心配になった。

進歩かもしれない。